2.カワセミのこと

 転居した近くの境川にカワセミがいたことからカワセミ撮影を始め、今では鳥・哺乳類・

虫など生き物全般を撮っています。そして今も撮影の本命はカワセミです。

 

カワセミの魅力はキレイな羽の色をはじめ、魚の捕り方・オスがメスに行う求愛給餌

・夫婦協力しての子育て・巣は崖に穴を掘ってつくる・・・などなど沢山あります。

 

(1)森も川も青色は構造色

 森の青い鳥・ルリビタキのオス     川の青い鳥・カワセミ

 突然にルリビタキですが、水辺がカワセミなら森の一番はルリビタキ(オス)なのです。

両者とも青色が魅力なのに羽に青い色素はなく、光が当ることによって生まれる構造色

とのこと??? 晴れは鮮やかな青、曇天は暗い青に変化し、天敵に対する保護色になります。

 

 

(2)魚の捕り方

1)ジッと待つ    2)飛び込む    3)失敗し戻る   4)やっと捕える

あちこちで撮った継ぎ接ぎの写真で恐縮ですが!(^^)!

1)ジッと待つ

 厳寒期、魚が出てこないので食糧確保は大変難しくなります。

 身体を丸め、真っ赤な足を隠してただただジッと魚が現れるのを待ちます。

2)飛び込む

 魚を目がけて一直線に飛び込む、この捕り方がカワセミの魅力の二番目です。

 草木や護岸に止ってチャンスを待ちますが、ホバリングもよくやります。

3)失敗し戻る

 魚が出てこない冬の方が成功率が低いように思います。

 チャンスが少ないので、多少無理でも飛び込むからでしょうか?

4)やっと捕える

 やっと捕えて陽だまりで食べ始める、長時間待っていた私もホッとする。

 魚は頭からの丸呑みですから、魚は最大7cmほどまでに限られます。

 

 

(3)魚を食べる

1)魚を食べる①   ②         ③       2)ペリットを吐き出す

1)魚を食べる

 ①暴れる魚をジッとくわえて弱るのを待つ

  このヨシノボリらしい魚は呑み込める限界に近い大物です。

  *カワセミのクチバシの長さは3.6cm、これを目安に魚の大きさを推定します。

 ②枝にたたき付けて魚の骨を折る

  丸呑みしてもいいように身体全体を使って数十回も行いました。

 ③魚の頭を手前に持ってきて丸呑みする

  以上の全ての動作をクチバシだけで行う、かなり器用です。

2)ペリットを吐き出す

 丸呑みした魚の骨は団子状態(ペリット)にしてときどき吐き出す。

 

 

(4)繁殖活動

1)オス      2)メス      3)カワセミのペア  4)巣穴

1)オス 2)メス

 オス・メスの見分けはクチバシで、オスは真っ黒ですがメスは下が赤いのです。

3)カワセミのペア

 オス(左)がメスの周りで盛んに鳴き・お辞儀をする求愛行動をしているところ

 オスがメスに食べ物を与える求愛給餌はモズでも見られる求愛行動です。

4)巣穴

 写真は高さが1m半ほどしかない崖に掘った巣穴で、まだ掘り終った直後なのか

 下には掘り出された土が円錐状に積っています。

 *巣穴の深さ:50cmから100cm 巣穴掘り:10日ほど 抱卵:17-19日

  巣立ちまで:20-23日 これらのことを夫婦協力して行います

 

 

(5)黒い子供

1)兄弟       2)親子      3)独り立ち    4)生まれて5ヵ月

1)兄弟

 巣立ち、親に導かれて境川へ来、魚を持って来てくれる親を待つ兄弟。

2)親子

 羽が乱れた親(奥)と子供(手前)、親は5日くらいで魚を与えなくなると

 子供は自分で捕り始め、2週間くらいで一人前に捕れるようになるようです。

3)独り立ち

 まだ独り立ちしたばかり、これだけ黒ずんでいると子供だと直ぐに分かる。

4)生まれて5ヵ月

 足に黒ずみは残るがもう一人前、しかし初めて経験する厳しい冬が近づいている。

 

 

(6)こんなこともある!?

1)捕ったのはヒル  2)溺れた?    3) 兄弟喧嘩?  

1)捕ったのはヒル(2008.1)

 小さなものなのに食べるのに手間取っている??拡大して見るとヒルがクチバシに

 吸い付くのです。ヒルがわくほど境川を汚したのは人間です。 

2)溺れた?(2011.9)

 暗くなりかけた境川。水からよろよろと這い上がり、吐くような仕草を繰り返した後

 の光景です。何があったのか?翌朝にはいませんでしたが、まだ飛べれたか?

3)兄弟喧嘩か?(2013.8)

 クチバシを噛み合って水に落ちても離さず、また飛び上がるを繰り返しました。

 ペアによる繁殖行動と思って撮っていましたが、帰宅し拡大するとどちらも若鳥で

 メスのようなのです!縄張り意識が芽生えてきての争いということでしょうか?

 

 

 

 

 

        境川の仲間たちは

           みよしの自然をアキラメテいません

              人間がアキラメテしまうのを心配しています