生き物撮影はみよしに移り住んでから始めましたが、それ以前から撮っていたものに
日本の城があります。私が訪問した城は全国200近くになり、マイカーで全都道府県を
走破しました。ここではその中から私が特に気に入っている10城を紹介します。
但馬竹田城は但馬・山名持豊(宗全)が丹波・播磨・出雲などにそなえて築いた山城で
現在見る雄大な石垣遺構は、戦国末期の秀吉時代に城主となった斎藤政広(赤松氏)に
よるが、これほど豪華な建造にしたのは、交通の要衝と生野銀山の存在が考えられる。
中世の総石垣づくりの古城址の典型で、別名・虎臥城(とらふすじょう)は古城山山頂(353m)に南北500m・東西100mの当時の遺構をほぼ完全に残している。
城址の全貌
上写真は西から見たところ(城の書籍からの複写)
下の図は東から見たところ(現地の看板からの複写)
山城を訪ねたときは急な道を上りながら、辺ぴな地の険しい地形に城を造らなければ
生きていけなかった当時の厳しさを想像します。しかし、ここでは厳しさを想うより先に
その造形美・雄大さ・景色の良さなどに見とれてしまいました。
1)駐車場から 2)3)南二の丸&南千畳 4)本丸の石垣群
(左端が登り口) (本丸から見る) (高いのが天守台)
5)6)天守台&本丸 7)南二の丸&天守台 8)城下町
(北から見る) (南から見る) (本丸から)
9)二の丸方向 10)11)二の丸・三の丸&北千畳 12)山上の石垣群
(北千畳から) (南から見る) (麓から)
私はこの城を四度訪ねましたが、いつも人影は少なく、静かな雰囲気はこの城を観る
には必須なことで気に入っていました。 それが今では有名観光地となって、入場制限
されるようになりましたし、城内全域に立てられた入場禁止柵は何とも興ざめです。
私が再び訪れることは、もうないのかも知れません(-_-;)
一番好きな城は迷わず但馬竹田城を挙げますが、二番目からは沢山あって序列は付けら
れません。但馬竹田城の次に好きな城の中から、幾つかを紹介します。
1)白河小峰城 2)会津若松城① ② 3)松本城
1)白河小峰城(福島)
戊辰戦争で官軍と奥羽同盟軍の争奪の的になり全て消失した。今は三重櫓や門などが
復元されているが、魅力的だったのは今も残る写真の高石垣です。
2)会津若松城(福島)
①GWと花見が重なって大変な賑わい。それと対照的だったのが戊辰戦争でも官軍の
砲弾がなかなか届かなかったといわれる高い城壁・深い掘が静まり返っていたこと。
②本丸門の石垣
巨石から大小の石を巧みに組み合わせた「切込はぎ」の石垣は芸術品並みの出来!
3)松本城(長野)
深志城が起源で、天守は国宝に指定される。別名・烏城はドッシリとした安定感・
五重の絶妙なバランス・黒板などから美しく、私が好きな数少ない天守閣です。
*天守閣が現存する12の城(赤字5城は国宝、他は重文)
①弘前城 ②松本城 ③丸岡城 ④犬山城 ⑤彦根城 ⑥姫路城
⑦備中松山城(岡山) ⑧松江城 ⑨丸亀城 ⑩松山城 ⑪宇和島城 ⑫高知城
*日本三大山城…・美濃岩村城・備中松山城・大和高取城
①岩村城は標高721mの日本一高いところにある山城(岐阜県恵那郡岩村町)
②備中松山城は天守閣が現存する唯一の山城(標高480m)(岡山県高梁市)
③高取城は"日本一"比高≪山頂と麓の高低差≫の高い城(標高583m)(奈良県高取町)
4)備中松山城 5)岡城① ② 6)熊本城
4)備中松山城(岡山)
臥牛山(480m)のほぼ山頂に二重二層の天守が現存し、近世の山城で建物が残された
貴重な存在です。しかし、私のお気に入りはこの石垣群。本丸へ行く途中で見上げた
頭上には驚きの光景が拡がり、急な道はジグザグと左上方向へと続いています。
5)岡城(大分)
春高楼の花の宴 めぐる盃かげさして 千代の松が枝わけいでし
むかしの光いまいずこ (以下略) <土井晩翠・滝廉太郎>
①天然の断崖の上に更に積んだ石垣、城の場所選定・城づくりの技術に感服する
②写真の奥は武家屋敷跡、山頂をほぼ平坦にした城内は広大で圧倒されるほど
6)熊本城(熊本)
最初の熊本城訪問は21才のときで、夕方に訪れた城は明暗が強調され、石垣の曲線
と天守閣の組合せが素晴らしく見惚れました。これが私の城好きの始まりです。
7)今帰仁城① ② ③ ④
7)今帰仁城(ナキジン-沖縄)
①写真は谷越しに撮った城の奥半分、大きな城の周囲のほとんどは深い谷です。
②入城前に圧倒された古生代石灰岩の野面積み城壁、見上げただけで胸躍りました。
③本丸に相当するところから見下ろしたところ、左側は深い谷となっている。
④「百曲がり」の城壁が延々と続き、琉球王国の城の中で一番好きになりました。
8)中城城 9)勝連城
8)中城城(ナカグスク-沖縄)
沖縄で最初に訪問し魅せられた城。クネクネと曲線を描く石垣・アーチ状の門など
今まで見てきた城とは全く違い驚きました。琉球石灰岩台地の上に切り出した琉球
石灰岩を積んだ城は、今まで見てきた武骨な城とは対照的。南国にふさわしく白く
美しい、そして細やかな石積みと優しい形状に直ぐに好きになりました。
9)勝連城(カツレン-沖縄)
城は遠くから見え、到着前から期待が高まります。この城は写真のように城外から
見ても城内からも、西欧の城を連想させる高い石垣の魅力的な城でした。
城のどういうところが好きかは、人によって様々でしょうが、私は石垣の機能美みたい
なところが好きです。山城で、地形を巧みに利用して造っているなどは最高の魅力です。
1)石垣の例
①和歌山城 ②伊予松山城 ③熊本城 ④岡城
⑤今帰仁城 ⑥中城城 ⑦⑧勝連城(凸も凹も丸い)
2)石材の加工程度による3種類
3)石材の積み方2種類
左の二つの積み方と、上の三種類の
加工程度を組み合わせ、六種類に区分
することが出来る。
また、石垣の隅部に用いられる特殊な
積み方に「算木積み」がある。
*2)3)の図・記述は新人物往来社
「新・日本名城図鑑」より
城訪問をより楽しくするために準備・注意していること
1)下調べをして楽しみを何倍にもする
歴史・見所・城の位置・城内の配置など
*私が参考にさせてもらっているホームページ
「お城の旅日記」http://www.asahi-net.or.jp/~qb2t-nkns/index.htm
2)城から城へと効率よい訪問ルートを計画する
交通手段はマイカーがベスト、私は全都道府県を走破できました
3)時期は長距離歩行もあり春秋が良い
冬は道路凍結と1日が短すぎる、夏は暑くて観回れないなどで避けたい
4)祭りなど大きな行事を避ける
渋滞・交通規制・宿が満室などに遭わないために
5)長距離歩行ができる体調で行く
城内・堀周り・天守閣の遠望など多方面から見て良さが分かる
6)服装・持参物は万全にする
石段・山道・長距離を考えて靴・飲み物をはじめ、十分に考えて準備する
7)迷子にならないように注意、特に山城では指標のない脇道に入らない
城までの地図・城内の地図などを入手しておくと非常に便利
8)本物(当時の物)を楽しむ
石垣でも当時の物か近代に修復されたものか見極めて、本物を楽しむ
9)城内では腰を下ろす時間を設ける
静かなところで耳をすまし、城が機能していた時代に想いを馳せてみたい
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの(以下略)<室生犀星>